書籍・雑誌

2011年8月27日 (土)

『さよならの風景』

4年前に句集『喝采』を自費出版したダンナ、一羊。

実は自費出版はこれが初めてではありません。

約30年前、就職したての頃、彼は一冊の詩画集を出しています。

え~と、私と知り合う前ですね。 タイトルは『さよならの風景』。

今日、この記事のために押し入れをゴソゴソして探し出しました。

度重なる引っ越しと水害にも耐え、比較的状態はいいです。 ↓

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詩は一羊(当時は本名)、画は友人の鈴木亜洋氏(ペンネーム)。

~筆者の弁明~と題したエピローグによれば、詩画集作りを始めた

のは高校3年のことであった。僕が中学時代から書きためていた詩に

鈴木亜洋氏が絵をつけてくれたのである(中略)失恋や片想いの詩が

多いのも、この過去に出会った、あるいは僕の観念が作りあげた架空

の少女らへの憧憬のためである。(中略)あくまで実ることのない想いで

あることは自分自身わかっているのだから、ラブレターであると同時に

別れの手紙でもある。そしてまた、それはとりもなおさず、自分の

「少年期」への訣別でもある。  

遠い憧れは、いつも僕を寂しくさせた。 いや寂しささえも遠かった。

とあります。全部で41編がおさめられていますが、その大半を

貫いているのは「少女趣味」です。(笑)

一羊が生徒達から「シラハマ・ブルー」と呼ばれていた頃、私は彼から

この詩集を手渡されました。 capricornus 「読んでみて。」って。裏表紙には

(およそ上手とは言えない)彼の字でこう書いてありました。

「とんちゃんへ。二人の万有引力を信じて。」 (sweat01sweat01ハズカシーィsweat01sweat01

gawk イッタイ 何人の女性にこのテを使ったんだろう、フンdash

とか思いながら受け取ったのを覚えています。(笑)

そうは思いながらも、読後、ずいぶん長い感想文(?)を書いて

彼に渡したことも記憶にありますが、今その手紙は見あたりません。

41編の大半を占める少女趣味的詩には、正直、ちっとも惹かれま

せんでしたね(爆)。その中から10編、もう、私の特権(どんな?)で

まともそうなのをご紹介します。(画像クリックで大きくなります)

~プロローグ~

  僕を愛し  僕が愛さなかった者へ

  僕を愛し  僕が愛した者へ

  そして

  僕が愛し  僕を愛さなかった者へ

  捧ぐ

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41編のなかの比較的好きな、一羊”らしさ”が出ている10編を

載せましたが、一番好きなのは一番最後の「夜空」です。

これだけしか好きじゃないかも(爆)。この詩だけが他の40編とは

異質で、かつ、現在の一羊の俳句に通ずるものがあるように思います。

おもしろいのは、30年近くたっても内なる世界において、

一羊も私もあまり変わっていないということ。進歩がないのね(笑)

昔もこの「夜空」をべた褒めした記憶があります。

筆者の弁明(エピローグ)の最後はこうです。

 武者小路実篤の「淋しい」という詩の終連はこうである。

    愛する者には愛されず

    何事もせずに生きられるために

    自分は自分の淋しいことの好きなことを

    感謝する。

 僕の唯一の友人でもあるような「さびしさ」も、

 ふと気づけば、見知らぬ他人の顔をしている。

 いつも僕の影法師のように寄り添ってきた

 「さびしさ」に、ふいに後から目隠しをされて

 僕は迷子になってしまう。

Photo_13   青は静寂、青は「さびしさ」、

  詩であれ俳句であれ、

    これらはみな

  一羊という人の

    真ん真ん中にある、

    しんと静まりかえった

「青」から湧き出ているに違いない。

  

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2011年6月24日 (金)

白バラ姫 & 紅バラ姫

先週末、招かれた友人の庭に咲いていたバラの花たち。

とりわけサマースノー(白バラ)とカクテル(紅バラ)はみごとでした。

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小学校一年生のときに読んだグリム童話の中に『しらゆき べにばら

というのがあるのですが、 私はこの物語とやさしい挿絵が大好きでした。

 ~物語あらすじ~

 あるところに未亡人と二人の娘が暮らしていました。

庭には大きなバラの木が2本、白バラと紅バラが生えてました。

娘たちもそのバラのように愛らしくしらゆきべにばらと呼ばれてました。

べにばらはいつも元気で野原を駆け回り、しらゆきはおかあさんの仕事を

手伝ったり、本を読むのが好きなおとなしい子でした。

 ある雪の夜、1匹のクマが凍えそうなので暖まらせてほしいとやってきました。

最初は怖がっていた二人も次第にクマと仲良くなりました。

クマは冬の間毎晩遊びにやってきました。やがて春になるとクマは別れをつげ、

どこかへ行ってしまいました。

 ある日長い髭を木にはさまれた小人に出会います。

なかなか髭が抜けなくて困っていたので、二人は持っていたはさみで小人の髭を

ちょん切ります。小人は助けてもらったのに、髭を切られたことをカンカンに怒ります。

 また別の日、つりをしていた小人は釣り糸が髭に引っかかってしまいました。

なおかつ餌に大きな魚が喰らいついて魚に川へ引きずりこまれそうです。

しらゆきべにばらは持っていたはさみで小人の髭を切り、魚を放してやります。

小人はまた髭が切られたことを怒ります。

 次に小人に出会ったとき、小人は大きな鳥に捕らえられ連れて行かれるところでした。

二人は小人の体を引っ張って鳥から離して助けてあげました。

今度は小人は服が破れたと行って怒ります。

 最後に小人と出会った時、小人は宝石を広げていました。

するとどこからかクマが現れました。小人はクマに宝石はみんな返すから助けてくれ、

自分を食べないでしらゆきべにばらを食べてくれと言います。

ところがクマは小人を突き飛ばし、小人は死んでしまいます。

すると小人の魔法はとけ、クマは元の王子の姿に戻りました。

それから、何年かしてしらゆきは王子と、べにばらは、王子の弟と結婚して、

お城で皆揃って暮らしました。

まあ…よくある、と言ったら失礼ですが、coldsweats01 できすぎたお話しですね。

でも、そこはほれ、小学校一年生のとんこちゃん、「お姫様」「王子様との

幸せな結婚」「清楚な白バラ」「魔法」…ボォ~ッと憧れて何度も何度も

読み返したのですよ。読むだけでは飽きたらず、3歳下の妹とお姫様ごっこを

して遊んだのでした。姉の私は「白バラ姫」、妹は「紅バラ姫」。

pig 「紅バラ姫、おやつを持ってきておくれ。」

virgo 「はい、白バラ姫様。」

pig 「あ、紅バラ姫、ここがちょっと汚れていてよ。お掃除お願いね。」

virgo 「はい、白バラ姫様。・・・ねぇ~、今度は私が白バラ姫やるぅ~。」

pig 「え、そう?いいわよ~。あ、これ、白バラ姫、このお花を飾っておくれ。」

virgo 「はい、紅バラ姫様。・・・やっぱり紅バラ姫がいい~。」

pig 「え、しょうがないわねぇ。いいけど。これ、紅バラ姫や…」

エヘヘ… 3歳下の妹は「姫」という名の召使いでしたね。coldsweats01

まるでシンデレラに登場する意地悪なお姉さんのよう。

子どもの頃の下積み(?)が長かっただけに妹は、人格者です。(笑)

妹をこき使っていた姉は人間失格となり、現在は豚道まっしぐら!

ほんとにたま~にですが、実家で一緒になると、常に働いているのは

母と妹で、私は庭の草花を眺めたり、冷蔵庫の中をあさったり、本を読んだり

お昼寝したりと いつも以上にダラダラしちゃうんだな、これが。ごめんね~sweat01

白バラも紅バラも好きだけれど、私が特に好きなバラはモッコウバラです。

(え! 白バラじゃないのかよぉ~! ←一人ツッコミ)

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2011年1月31日 (月)

『小さいおうち』

ダンナは東京出張から帰ってソッコー寝込み(爆)

これまで何十回、何百回(…はおおげさ?)も寝込んでいるのに

予防の策がわかってないの。

pig の忠告 → → → → → → → → capricornus の行動

①新幹線で往復したら?          ①帰りは片道約6時間かけて夜行バス。

(夜まで時間をつぶすためさまよったすえ、ずっと図書館に。)

②こざっぱりしたホテルに泊まったら? ②南千住の独居房ホテルがお好み(笑)

(しかも会場から遠い場所。地図を見ていなかったらしい。eye えっ!)

③食べ過ぎないでね。           ③回鍋肉必食!!

・・・gawk 人って案外「学習」しないものだね。

capricornus 一羊にしてこれである。いわんや とんこをや(笑) pig

ダンナは寝込み、洗濯機は壊れ…この週末は読書三昧でした。

本を読むスピードがおっそろしく遅いワタクシですが、

この本は集中して、いっきに読みました。

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第143回 直木賞受賞作品。

同じ題名の絵本「ちいさいおうち」(バージニア・リー・バートン:著)と

ほんのちょっとリンクしています。…ほんのちょっとだけ、です。

以下作品紹介文(文芸春秋 サイトより引用)

昭和6年、若く美しい時子奥様との出会いが長年の奉公のなかでも特に

忘れがたい日々の始まりだった。女中という職業に誇りをもち、思い出を

ノートに綴る老女、タキ。モダンな風物や戦争に向かう世相をよそに続く

穏やかな家庭生活、そこに秘められた奥様の切ない恋。

そして物語は意外な形で現代へと継がれ……。

最終章で浮かび上がるタキの秘密の想いに胸を熱くせずにおれない

上質の恋愛小説です。

昨年の夏頃、新聞か何かで知ってさっそく図書館に予約。

予約したことをすっかり忘れてしまった半年後に本は届いたのでした。

私がいっきに読んだくらいですから、おもしろいです!

ほとんどが女中タキの目で見た昭和初期の東京と、

奉公した平井家の人間模様が綴られているのですが、

文章がわかりやすく、経験したことのない当時の中産階級の

暮らしぶりも容易に想像しながら読み進むことができました。

ただ「最終章で浮かび上がる秘密」とやらにか~なり

期待していたのですが、期待が膨らみすぎたのでしょうか、

私としてはモヤッと感が残りました。

永遠の0(ゼロ)』のようなどんでん返しを期待していたのです。

「ああ、そうだったのかぁ~」…みたいな。

今回は「えっ?えっ?これで終わりですか?」という感じでしたよ。coldsweats01

読む力がないのかなぁ~sweat01

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2010年5月15日 (土)

「うんこ」と「おしっこ」

一つ前の記事『うんこ買って!』のコメントで

春呼さんから谷川俊太郎の「うんこ」という詩を教えていただきました。

なんでも清水ミチコがこの詩に曲をつけて歌っていたとか。

調べてみると谷川俊太郎には「おしっこ」という詩もあって、

こちらには小室等が曲をつけているようです。

二つともとってもいい詩です。

   うんこ    

    詩:谷川俊太郎  曲:清水ミチコ

    ごきぶりのうんこは ちいさい
    
ぞうのうんこは おおきい
    うんこというものは いろいろなかたちをしている
    いしのようなうんこ
    わらのようなうんこ
    うんこというものは いろいろないろをしている
    うんこというものは くさやきをそだてる
    うんこというものを たべるむしもある
    どんなうつくしいひとのうんこもくさい
    どんなえらいひとも うんこをする
    うんこよ きょうも げんきにでてこい
                     

   

     
おしっこ 

    
詩:谷川俊太郎  曲:小室等    

    大統領がおしっこしている
    おしっこしながら考えている
    戦争なんかしたくないんだ
    石油がたっぷりありさえすれば

    テロリストもおしっこしている
    おしっこしながら考えている
    自爆なんかしたくないんだ
    恋人残して死にたくないもの
    
    兵隊さんもおしっこしている
    おしっこしながら考えている
    殺すのっていやなもんだぜ
    殺されるのはもっといやなもんだが

    男の子もおしっこしている
    おしっこしながら考えている
    マシンガンを撃ってみたいな
    きっと気持ちがすっきりするから

    武器商人がおしっこしている
    おしっこしながら考えている
    銃がなければ平和が守れぬ
    金がなければ自由も買えぬ

    道で野良犬おしっこしている
    おしっこしながら考えている
    敵もいなけりゃ味方もいない
    ただの命を生きているだけ

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昔、小さかった頃 夕飯のあとで祖母はよく

私のお腹をさすってくれたものだった。

 「うんこにな~れ…しっこにな~れ…」

おへその周りを、呪文のように唱えながら。

祖母のあの手の温もりと少し眠そうな声が

急に思い出されたのは なぜだろう。

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2010年5月14日 (金)

うんこ買って!

本屋で立ち読みをしていると、突然子どもの声が。

「ママ-、うんこ!うんこぉぉぉ~~!!」

(アラアラ、大変だぁ~。よくあるよね、こんなこと。coldsweats01 )

まあ、あまり気にもとめず立ち読みを続けていると、

「ママ~、うんこだってば。 う・ん・こ! ねぇ、うんこ買って~」

coldsweats02 え? 買う?)

本を探すふりをして声のする方に近づく私。

声の主は絵本のコーナーにおりました。

3歳くらいの小さな可愛らしい女の子。

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うんこ!」

絵本のタイトルでした。

子どもって好きだよね、

このテのもの。(笑)

女の子の「ママ、うんこ買って!」

は続いています。

ママは周りの目を気にして

ママ:「シー、静かに!買ったって見ないでしょ、そんな本。」

chick 「見るもん!ねえ、買って~、買って~、読んで~」

ママ:「うんもう、ちょっと静かにしてちょうだいよ。

   ママだって今読みたい本あるんだから。パパに言いなさい。」

(女の子店内のどこかにいるパパを探しに…しばらくしてパパを連れてくる)

pig 頼むよパパ!あんただけが頼りだ、買ってあげてくれ~。

 買わないまでもページをめくって一緒に読んであげて~。)

chick 「ねえ、パパ、この本、うんこの本だよ。買って~」

パパ:「え~、汚いからやめなさい。ほらもう行くよ。」(一蹴)

chick 「いやだ!欲しい!欲しいよぉ~」

ついに泣き出してしまった女の子。

そのままパパとママに連れられて店を出ていきました。

女の子があんなに興味を示していた絵本を

私はそぉ~っと、開いてみました。

わんこのおしりから生まれた(?)うんこが主人公。

とおりすがる動物たちが「くっさ~い。」と言えば

「くっそぉ~!」とうんこ。

明るくて愉快な絵本なんです。

これぜったい子どもにウケるよ。

大人が読んでもおもしろい。

「くっさ~い!」っていうセリフを大げさに読んだら

子どもはゲラゲラ笑うだろうな。

毎晩、毎晩、「今日もうんこの本読んで~」ってせがむだろうな。

あ~あ、買ってあげてほしかった、な。

一緒に「おもしろいね~」って笑ってほしかった、な。

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2010年2月24日 (水)

春と心に~見本誌届く

Nhk

↑ 数日前、NHK出版から郵送されてきました。

「贈呈」 とあります。 eye おお! こ、これは…もしや…

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あ、やっぱり! happy01 

以前ちょこっと宣伝しておりましたが、この度

NHKの『カシャッと一句!フォト575』が本になりました。

フォト575」という新しいビジュアル文芸の世界を紹介した本です。

番組の審査委員長であり、この本の監修者でもある

フォトエディターの板見浩史(いたみ こうじ)さんは言います。

「フォト575には古めかしい権威も、小難しい理論も、

窮屈なルールもありません。あるとすれば、写真を撮って

人に見せる楽しさ、そして自分の言葉で表現する楽しさ、

この2つだけ。」と。

フォト575の楽しさ、作品作りのコツなどを知ってもらおうと

これまでの応募作品を満載してのガイド本です。

作品の一つ一つに板見先生のコメントも添えられているんですよ。

tulip   camera   tulip   camera   tulip   camera   tulip   camera   tulip   

私の投稿作品も2つ、載っています。

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一つは「春編」(41ページ)に。 ↓ 

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そしてもう一つは「心編」(68ページ)に。 ↓

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板見先生、優しいコメントをありがとうございました。 confident

pencil さてさて、ここであらためて宣伝です。

 書名 : 『NHKカシャッと一句!フォト575 完全ガイド』

 定価 : 1260円(本体1200円) 

 仕様 : B5版 112ページ

 発売日 : 2010年2月25日(木)

book そう、明日発売ですよ~moneybag

さあ、みなさん、明日は本屋さんへ run 走りましょうね~(笑)

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2009年10月 6日 (火)

『永遠の0』~微妙にズレてるみたい、ダンナと私

Photo_2  『永遠の0(ゼロ)』 を読みました。 

 やっと読み終えました。

 某書店の店長さんがラジオで

 「もう、泣けて泣けて…」

 と言うのを聞いて読みたくなり、

 ダンナが図書館に予約。 

 二日もかからずあっという間に

 読み終えたダンナ。

 capricornus 「次の人が待っているから斜めに読みなさいよ、早くね。

全身全霊で読みなさい!」 とまあ、無謀なことを言うじゃないの。

何度も行きつ戻りつを繰り返しジグザグ読みする私には斜めに読む

なんて芸当はできっこない。 でも全身全霊で読むことはできる…と思う。

つまり全ての家事をなげうって読めということねと解釈したわよ、一羊さん。

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この物語は宮部久蔵という、特攻で死んだゼロ戦パイロットの話です。

「お国のために命を捧げる」ことが当然とされていた当時の帝国海軍に

あって宮部は「私は死にたくありません。生きて妻と娘のもとへ帰りたい。」

と臆面もなく言い、自分の部下にも「絶対に死んではいけない。」と言う。

そのため周りからは臆病者、卑怯者と思われ、またおよそ軍隊には

なじまない丁寧な物腰のせいで下の者からも軽くあしらわれていた。

が、ひとたび操縦桿を握るやゼロ戦の扱いは神業でその点において

一目おかれる存在でもあった。異常なまでの用心深さも肉体の鍛錬も

すべては「生きて妻のもとへ帰る」というただ一つの目的のためだった。

何年間も過酷な戦いを続けながら生きのびることに固執した宮部だった

が、最後は神風特攻隊に志願し敵空母艦へと向かいその命を終える。

終戦の一週間前だった。 ・・・なぜ。 

ネタばらしをするなら、宮部は最後の最後まで生きるチャンスに

恵まれた人だった。 神風特攻隊としてゼロ戦に乗ってからも。

だが彼は最後の最後にそのチャンスを自ら捨てたのだ。 ・・・なぜ。

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残された宮部久蔵の妻は別の男性と再婚し幸せのうちに生涯を閉じた。

宮部について何も語らぬまま。 実は物語は宮部の妻が亡くなってから

始まるのだ。 宮部の孫、佐伯健太郎(ぼく)と姉、慶子の二人が祖父に

ついて調べるべく、生き残った戦友たちを訪ね歩き60年の封印を解いて

いく。 そして明らかになる驚愕の事実。

物語のプロローグとエピローグは「悪魔の0(ゼロ)」を見たアメリカ兵に

よって綴られている。 当然、「悪魔の0」とは宮部久蔵が乗ったゼロ戦。

やはりここを抜きに物語は成り立たない。

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…とまあ、長々とあらすじを書いてしまいましたが、ここまで読んでくだ

さった方、お疲れ様です。 ありがとうございます。

で、読後の感想ですが、やはり泣けました。 宮部についてもそうですが、

戦友たちのエピソードにもぐっとくる場面がいくつもありました。

ただ最後まで私の心に残ったのは 「なぜ?」 です。

その 「なぜ?」 は今も私の心にあるのです。

少なからず宮部久蔵は関わった人々の人生に多くの影響を与えました。

また直接は関わらなかった孫達も宮部の取材を進めるうちに

それぞれの歩むべき道を見つけてゆくのでした。

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ダンナが「全身全霊で読みなさい!」と言った意味がわかったような

気がします。  ダンナも自分のブログ (こちら) で…

   ここ数年で一番泣けた本です。
 
  【私のお薦め度】★★★★☆ とにかく泣きたい人は必読。

とまで絶賛しています!

pig 「これこれ、ここの、あーゆー場面が泣けたわよね~」

capricornus 「え、べつに…そこでは泣けなかった。」

pig 「あら、そお? でも○○の場面では感動したでしょ!」

capricornus 「いや、特には…」

pig 「じゃあ、あなたが泣けた場面ってどこだったのよ?」

capricornus 「う~ん、どこって…忘れた。 たしかに要所要所では泣けたんだ

  けど。 もうどんな物語だったかも忘れかけてる。」

・・・はあ? gawk  

ちっ、私と議論するのがメンドクサイってわけか。 think

一羊さん、『永遠の0』のテーマはねぇ…「夫婦の愛と絆」 

だと思うのよ、私。

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2009年9月 4日 (金)

『はずかしい』

さっき読み終えた本。

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 タイトル: 『はずかしい』

 著 者: 白石公子(しらいし こうこ)

 発行所: (株)白水社(2004年発行)

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もう5年前になりますが一番最近の著書のようです。

エッセイです。

何度も言っているとおり、ワタクシ、本を読むスピードが

メチャクチャ遅いです。 snail

なので本のジャンルとしてはエッセイや絵本が多いのです。

長編小説なんて もってのほかです。 wobbly

著者の白石公子さんはご出身が岩手県の千厩(せんまや)、

詩人でありエッセイストでもあり、現在は早稲田大学文学部で

教鞭をとっておられます。 

失礼ながら…白石さんのイメージから”教鞭をとる”という表現は

どうもしっくりこないのであります。

白石さんはIBC岩手放送の人気ラジオ番組、

水越かおるのすっぴん土曜日』(毎週土曜日9:00~)の

コーナー、「白石公子フロムTOKYO」に毎週登場します。

盛岡のスタジオにいる水越アナと東京の自宅(たぶん)にいる

白石さんが電話で よもやま話をするのですが、白石さんの

口調が大好き。 いわゆる、「脱力、ユル系」ってヤツで、

ちょっとかすれた声で 「あ~、ダメデスゥ~、ムリムリ!」とか

「な~んか、笑っちゃいますよねぇ~」とか、 

「はぁ~dash がんばりま~す。」とか言うくせに全然がんばろう

という意欲が伝わってこないあたりが好き!

「文は人なり」と言われるように、エッセイもまたユル系。

ユルいんだけどルーズじゃないの。それどころかこの方の

根底に流れるものは極度の”生真面目さ”ではないかと思わせる

ものがユルい文章のあちらこちらに shineキラッ、カチッと見え隠れする。

「教鞭をとる=上から目線」という私の勝手な等式に当てはめれば

おおよそ ”らしくない” けれど、生真面目を芯に持つユルキャラ

白石センセイはきっと学生達から絶大な人気があるに違いない。

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本の題字もいい。

「はずかしい」の「ず」の点々(〝)が「す」の横棒の下にきている

ところが、いかにも恥ずかしそう。冷や汗にも見えてきたりして。

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白石さんはあとがきで、「はずかしい」という感覚は年代によって

変わってきたと言っています。 20代、30代、そして今は40代。

白石さんと私はほぼ同い年なので本のあちこちで「あ!わっかるぅ~」

と大きくうなずいたものです。

この本が書かれたのは40代半ばですが、50代を目前に控えた

今の白石さんはどんなことが恥ずかしく思えているのかしら?

IBCの『すっぴん土曜日』の白石さんのコーナーに質問してみようかな。

「え~、、、今はずかしいことですかぁ~? う~ん、なんでしょ、

もうなんかぁ~、なくなっちゃいましたね、はずかしいこと。」

な~んて白石さんが電話の向こうで答えると、水越さん(もほぼ同い年)

が、豪快な笑いで 「ア~ハハハ、そうそう、ここまで来るとねぇ。」

とかなんとか言っちゃいそう。 catface

あとがきで印象深かったのは、羞恥感覚の変化に伴い人に対する

気持ちも変わってきたというくだり。以下白石さんの文。

     堂々としている人よりは、

     はにかんでいる人、目を合わせられない人、

     はずかしさでオタオタしている人のほうが

     (感じいいな)と思うようになったことです。

   

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2009年8月29日 (土)

『美肌の花道』~佐伯チズとアバウト白浜

いや~、「美容」に関心の高い方が多いですね~。

この前の記事「6Bなら…」に多くのコメントが入っていてビックリでした。

コメント数だけではなく、訪問者数もすごく多かったの。 eye

コメント欄で「とんこさんのアイディア」みたいに思われている方が

いらしたので、補足です。

私が6Bのえんぴつで眉を描き始めたのは数年前にカリスマ美肌師、

佐伯チズ先生の『美肌革命』を書店でみつけて衝動買いしたのが

きっかけです。

その時は 「おお!なるほどぉ~」と感心し、「よ~し、私も!」と

はりきってローションパックやらなんやら…やったような気もするのですが、

継続性のトコトンない私はすぐに挫折し美肌は革命されぬまま現在に

至っているのであります。

ただ、本の中で先生が眉を8Bのえんぴつで描くということだけは

鮮明に頭の中に残り文具店に走ったのでした。

惜しいかなそのお店には最高6Bまでしかなかったので、

「ま、いっか、6Bでも。」…てなわけで、以来私は6Bのえんぴつで

毎日眉をひいているのです。

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今回あらためて佐伯チズ先生の本を検索してみたところ…

先生はその後も次々と美肌に関する本を出されていました。

その中で 「んsign02」と思ったのが『美肌の花道』という本。

これまで出した他の美肌本とはちょっと毛色の変わった本です。

言うなれば「美肌絵本」ですね。 

「チズ」というキャラクターが主人公の愉快な絵本。

その愉快な絵を描いているのはアバウト白浜という方なんです!

な~んか、運命的なものを感じてワタクシ、本屋さんに走りました~。

…でも今回は買わなかった。 coldsweats01

立ち読みOKのジュンク堂さんのベンチに腰掛け、じっくりと一心不乱に

読みましたとさ。 お~もしろい! happy02

美肌に関することもわかりやすくていいのですが、

コラム的に描かれた「佐伯チズ物語 PART1~3」がおもしろかったです。

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2009年7月19日 (日)

川端康成がグラスの底に見たもの

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前の記事(塩と酢の効能)の続きね。

普段使いのタンブラーグラス。

塩と酢を使って磨いたらくもりがとれてピカピカになりました。

キッチンの窓辺にふせて少しの間、自然乾燥。

たった6個のグラスを洗っただけですが、この充足感は何?

窓からの日の光を浴びてキラキラと輝く6個の”宝石”に

私は束の間うっとりと見入りました。

おやゆび姫のように小さく、小さくなって、

このクリスタルの世界に入っていけたなら…

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「ワタクシ、カハラ・ヒルトン・ホテル ニ タイザイ シテオリマス。」

…あ、また内なる声が聞こえてきたわ。 川端康成先生のお声です。 

と言っても当然その肉声を耳にしたことはありませんが。

あれは中学の2年生になったばかりの頃だったと思います。

国語の授業で、『朝の光の中で』という川端康成の随筆を学びました。

その冒頭の文が 「私、カハラ・ヒルトン・ホテルに滞在しております。」

だったように記憶しています。   内容は川端康成がハワイの

カハラ・ヒルトン・ホテル(現在はザ・カハラ・ホテル&リゾート)の

テラス食堂で見た美しい光景について書かれたものでした。

川端康成がまことに美しいと見とれたのは、ハワイの鮮やかな海の

青でも、姿よく繁る木々の緑でも、燃えるように咲く真っ赤な花でも

ありませんでした。 それは食堂の片隅に整然と並べられたガラスの

コップだったのです。 ガラスのコップの群れはみな伏せられおり、

その底の縁のひとところがダイヤモンドのように朝日に輝いている。

… 言ってしまえばそれだけのことです。 

それだけのことをどうして私は35年も覚えているのでしょう。

そりゃあ、記憶力抜群のワタクシですもの。 えっへん。

と、言いたいところですがさにあらず。 

やはりこれは文豪、川端康成の文章力、言葉の力に他なりません。

ただのガラスのコップ(と言ってもカハラ・ヒルトン・ホテルですから

ウチの100円ショップのものとはエライ違いでしょうが…)の底が

朝日にきらめく光景はどこにでもある普通のことです。康成先生

だって、それまでに同じような経験は何度かあったはず。

けれどそれまでは見えなかった。 

心の目がはっと開いた瞬間だったのでしょう。

どこにでもあるけれど ここにしかないもの。

あなたは見なくても 私には見えるもの。

私が聞き流すことを あなたが受け止めること。

昨日まで暗かったところに 今日光がさす ということ。

「一期一会」 という言葉とその意味を教わったのも

この国語の時間だったような気がします。

pencil 追記

今回、気になっていろいろと調べたり、さっき図書館にも行って

『川端康成全集』(新潮社)を借りてきました。

全集の28巻に収録されています。

ただタイトルは『美の存在と発見』というもので、1969年の5月に

ハワイ大学での公開講義のために書かれたものだったようです。

短い随筆文と記憶していたのは、中学の教科書用に最初の

一部分を抜粋していたからなんですね。『朝の光の中で』という

タイトルをつけて。 全文は…長いです。 しかも旧かな使い。

最初の文は 「わたくし、カハラ・ヒルトン・ホテルに滞在して、

二月(ふたつき)近くなりますが、…」で始まっていました。

高級リゾートホテルに2ヶ月近くも滞在なんて、スゴ過ぎる。

前年の1968年にノーベル文学賞を受賞、ハワイ大学の招きで

ホノルルに滞在していたときに書いたものらしいです。

あ~、なんかすっきり~。 happy01

 

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