秋のけはい
あれほどギラギラと燃えていた太陽も、寝苦しかった夜も、
うるさいまでの蝉の声も、お盆を過ぎたとたんに、
すっと、どこかへ消えてしまった。
代わりに今聞こえているのはコオロギをはじめとする虫の声。
我が家から高松の池へ通じる北山散策路の植物の中にも
萩やススキをみつけるようになった。
いつものようにダンナがふらっと散歩に出ていった。
「これ、拾ってきた。」帰ってきたダンナがテーブルに置いたのはほおずき。
葉っぱはすっかり干からびて、カラカラに茶ばんでいたが、
実(萼?)はそこはかとなく美しい。
ほおずきは夏から秋へと移りゆくこの時を象徴する植物だと思う。
愛らしい実は夏の盛りにはとっくに形作られているが、
まわりの圧倒的な緑にかくれて目立たない。
浅い息遣いにも似た夏に疲れを感じる頃、
「深呼吸、深呼吸・・・」とでも言いたげにぽっと、足もとに現れる。
子供の頃はほおずきなど野の草花でよく遊んだ。
最近の子供はどうなんだろう?
ほおずきを鳴らしている子供・・・見たことないなあ。
でも、昔も今も子供たちがよろこんで遊ぶ草がある。
秋の野原や道端にはえるアメリカセンダングサ。
トゲトゲの実(種)がたくさんつく植物で、
私たちは「バカ」とか「ドロボウ」などと親しみ(?)を込めて呼んでいる。
この実をちぎって友達の服めがけて「エイッ!」 と投げると
ペタッ! とくっつく。 ミョーに快感だったりする。
くっつけられた方もお返しに「エイッ!」 ペタッ!
他愛のない遊びも、必ずと言っていいほどデッドヒートに進展し、時にはケンカ別れで家路につくことも・・・
図鑑で調べたアメリカセンダングサという名前はたぶんすぐに忘れ、この秋もこの植物を見かけたら、まちがいなく「バカ」と呼んでいることだろう。
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コメント
ほおずき、いいよね。
うちの近所の畑にもあります。
中身を出して、鳴らしてみようとした子供の頃を思い出します。
こちらはまだまだ暑くて秋の気配はチラリとも感じられません。
今日は久しぶりの雨で涼しいですが、昨日は38度だって・・
明日からはまた猛暑らしいです。
そんな暑さの中、長男のサッカーの試合を観に出掛けました。
サッカー三昧で家には寝に帰るような状態だけど、ほおずきを見てフッと心和むような人になってくれているでしょうか?
ちょっと心配・・・
投稿: ぺろちゃんまま | 2007年8月23日 (木) 08:25
ぺろちゃんまま さんへ
いつも訪問していただき、ありがとうございます。
ほおずきの実を軟らかくなるまで揉んで、種を出すのは子供には一苦労だったよね。うまくそれができたとしても口に含ませて音を出すなど、とてもとても・・・私にはほおずきを鳴らした記憶がないので、たぶん実を揉んでいる段階で失敗していたと思われます。
うまくいくコツをご存じの方、お教えください。再チャレンジしてみます。できれば道端にほおずきがあるうちに・・・
投稿: はっきんとんこ | 2007年8月23日 (木) 21:01
やっと学校始まりました~♪長かった夏休み~。
我が息子は、二人ともパソコン部で、休み中の部活は、なんと!たったの5日です^^;ヒクヒク
とんこさん、お兄ちゃん帰省してたんですね♪きっとお母さんの手料理を味わって食べたことでしょう~(T^T)お兄ちゃんの気持ち考えると何だかウルウル。。
そうそう、ほうずき鳴らして遊びました!でも、コツを言葉で伝えるのって・・・難しいもんですね(>_<)
投稿: へなか☆け | 2007年8月24日 (金) 13:25
へなか☆け さんへ
夏休みが終わって、学校が始まると母はなぜか「ヤッター!」て気持ちになりますよね。
長男の気持ちねぇ・・・へなか☆けさんが想像するよりたぶんずっとあっさりしたものだと思いますけど・・・
へなか☆けさんもやはり鳴らして遊びましたか、ほおずき。ほおずきだけじゃなくタチアオイの花びらを鼻の頭にくっつけたり、アカシアの葉っぱを順番に引き抜いていく遊びもしたような記憶があります。子供の頃は道ばたの植物も大切な遊び道具でしたね。
投稿: はっきんとんこ | 2007年8月24日 (金) 17:08